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彼女とお揃いのiphoneケースを買って、うれしかったはずが・・・ |
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次のターゲット |
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より面白いものへと回りの関心が移った |
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噂になって、２週間。
ことわざの意味を調べたところで、なんの解決にもならないなーと、自分を馬鹿らしく感じていたが、ほんのささいなきっかけで、そんな噂は忘れ去られてしまったようだ。
週末、彼女と出かけた映画館。
そこで、会社の女子社員と偶然にもばったり。
適当に言葉を交わし、彼女だと軽く紹介しておいた。
ぼくの彼女は、とりたてて美人でもないし、スタイルが完ぺきだというわけではない。
人に敵意をむき出しにすることも、ライバル視することもない。
そんなタイプは、なぜか人にいい印象を与えるようだ。
翌日。
その女子社員から声をかけられた。
「あんないい彼女がいるのに、T先輩と遊んでちゃいけないよ〜。」
からかってくる声が自然で明るい。
これなら、と、ぼくはこの女子社員に本当のことを話してみた。
ぼくがお揃いでケースを買ったのは、彼女とで、T先輩とは会社外で会ったことも、それほど仲良く話したこともない、と。
女子社員から、なぜ、すぐに本当のことを言わなかったのか？不思議な顔で聞かれた。
そんなの信じてくれないだろ？ともいうわけもいかず、適当に、噂の現況を作ったT先輩の立場もあるし、T先輩にも悪いから・・・と、話しをにごしておいた。
ぼくの話しを、女子社員はちゃんと伝えてくれたらしい。
しかも、この時期、ほかの部の部長が不倫をしているようだ、という新しい噂が漂い始めていることをご丁寧にも教えてくれた。
正規の恋愛より、不倫という怪しい言葉の方が、人は興味があるらしい。
新しいターゲット。
人って、単純なものなんだな。
部長には悪いが、部長のあさはかな行動と、そんな単純な人間の頭の構造に、思わず感謝してしまった。
この３週間。
一番噂と関係ない顔をしていたのは、このT先輩。
きっと、本当に天然なのだろうということが判明した。
天然だと、わかったところで、T先輩への感情は変わらない。
それどころか、もしかしたら、前より悪くなっているかもしれないな。
T先輩へ、勘違いされることのないように、気をつけるあまり、仕事で近づくのさえ面倒だと感じてしまうのだから。
悪気なく、誰かに嫌な思いをさせているのを、全く気が付きもしないなんて、人としてもどうなんだろう？
そう、感じる今日この頃だった。
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